博士課程は英語を使った発表や論文投稿など、英語力が必要なイメージですよね。ただ、英語が得意な人ばかりではなく、かなり苦手な方もいるかと思います(私も得意ではなく、英語発表は台本を作って話さなきゃいけないくらいでした。。)
ここでは、
- 実際にどのような場面で英語が必要になるのか?
- 英語が苦手な人の乗り切り方
- 英語が苦手だったけど博士課程を乗り切った私の感想
を説明したいと思います!
社会人ドクター全般について知りたい方は、まずこちらの記事を見てみてください。
①博士課程で英語が必要になる場面6選
それではまず、実際に博士課程で英語が必要になる具体的な場面を紹介します。
講義
最近は全ての講義を英語で行う大学が増えています。グローバル化に合わせてということですね。
ゼミ
これも講義と同じで、グローバル化に合わせてですね。博士課程となると外国人学生はかなりの数がいるので英語でやる研究室が増えています。
論文調査
これは学部・修士の時からですが、研究の参考・引用として使う論文は基本的に英語のものが多いです。日本語のものもありますが、いわゆるインパクトファクターの大きな論文は英語のものなので必然的に英語の論文を調査することになります。
投稿論文執筆
博士課程では卒業要件として英語での論文投稿が求められるところが多いです。一般的な英語力だけでなく、論文としての英語の書き方も求めらるため、博士学生に求められる英語の大きなハードルの一つと言えます。
国際学会発表
これも博士課程で卒業要件として国際瓦解発表が求められているところが多いです。学会では質疑応答の時間もあることから、英語での質問内容の理解・それに対する英語での解答を即座にできるようにするためにはかなりの英語力が必要になります。
TOEICテスト
最近では、博士課程の卒業要件の中にTOEICテストのスコアを求めてくる場合もあります。博士課程となると700点台くらいは求められる場合が多いと思いますので、取れていない人はこれの対策も必要になります。
②英語が苦手な人の博士課程の乗り切り方
これまではどんな場面で英語が必要となるか説明しましたが、ここからは英語が苦手な方(もしくは英語に労力を割きたくない方)が具体的にどのようにして乗り切るか・楽にできるかを説明します。
講義・ゼミが日本語の大学・研究室を選ぶ!
まずは大学・研究室選びで、講義やゼミの英語の負担が少ないところを見つけることです。
もちろん自分の興味のある・身につけたい専門性などが選ぶ最優先事項だと思いますが、それプラス英語の負担についても考えて選ぶことが3年間乗り切るために重要になると思います。
博士課程に入る時は事前に大学の説明会に行ったり、研究室見学・ゼミ参加・先生に質問等ができるので、その際に調べるのがいいでしょう。
研究室によっては、社会人ドクターはゼミに出ずに個別で先生との報告・ディスカッション対応をしてくれるところもありますので、そういった研究室だと確実に英語でのゼミが避けられるのでいですね。
論文調査は翻訳ソフトを活用する!
英語論文調査については、翻訳ソフトを用いて日本語にして読んでしまうのがとても楽です。
最近の自動翻訳技術はものすごく、かなり自然な日本語にしてくれます。
また、PDFの文字認識機能も進歩しているため、紙やPDFでしか持っていない論文についても、文字認識→翻訳ソフトで日本語化ということが簡単かつかなりの精度でできてしまいます。
おすすめの翻訳ソフトはDEEP Lで、基本的に無料で使えます!
ただ、無料版では一度に翻訳してくれる文字数が限られており細かく分けて翻訳する際に手間とストレスがかかるため、有料版を使用するのがおすすめです。
この方法では、英語だけでなくフランス語や中国語等の論文に対しても使える方法ですのでぜひ活用してください!
私自身、社会人ドクターの間は論文はほぼこの方法で読んでいました。
(学部・修士課程の時にこの技術が使えればどれだけ楽だったか。。。10年前の話ですが。。)
投稿論文執筆は翻訳サービスと英語添削サービスを活用する!
投稿論文(英語)を書くことについては、日本語で論文を書いてしまい、英語化するのは自動翻訳+英文添削サービスを使用しましょう!
研究成果がでれいれば、日本語で論文を書くことはそこまで苦ではないと思いますが、それを英語の論文とするにはかなりハードルが高くなるかと思います。そこで、サービスを活用してその部分を楽することで負担をかなり減らすことができます。
手順としては、
・日本語で文章を書く
・翻訳ソフトを使って粗めに英語化
・自分の目である程度自然な英語に修正
・英語添削サービスを利用して自然な英語に修正してもらう
といった感じです。
英語添削サービスは有料で、ざっくり2万円くらいはかかるかなというイメージです。
ただ、これでかなりの労力を減らすことができるので、コストパフォーマンスは高いと思います。
また、研究室によっては、英語添削サービス利用を研究室の経費で利用させてくれる場合もある(私は研究室経費でやってもらいました)ので、使う前に研究室の方に確認してみてください!
国際学会発表は翻訳サービス+想定質問の徹底で乗り切る!
国際学会で英語が必要な点は、
・英語の発表資料準備
・英語での発表(説明)
・英語での質疑応答
です。
このうち上の二つ(発表資料準備と当日の説明)は、翻訳サービスで乗り越えられます!
投稿論文と同じで、日本語で作った資料/台本を英語に翻訳して準備すればいいですね。
一番難しいのが、英語での質疑応答です。
これはもう、質問の想定をたくさん作って、それに対する解答資料を作っておく(参考スライドとして作っておく)しか乗り切る方法はありません。
なので、結局かなりの労力を要します。。
ただ、英語に関してはどうしても労力から逃れられない場面というのはこのくらいなので、今回だけだと思って頑張ってください!
そして、想定外の質問がくる+それに対する英語での回答ができないという場面になってしまった場合は、恥をかく覚悟で、発表会場にいる指導教員(研究室の先生や研究員等)に助けを求めることにしましょう。
卒業要件にTOEICスコアが求められる場合は、、これは頑張るしかない!
卒業要件にTOEICスコアが求められている場合は、もうこれは正面から頑張るしかないですね。
こればっかりはどうしようもありません笑
TOEICスコアアップの対策等は、教材やオンラインスクール等たくさん存在するので、それらを駆使して効率よく取り組みましょう!
③博士課程(社会人ドクター)に英語は必要なのか?英語が苦手だった私の意見
これまで「英語ができなくても乗り切る方法」を説明してきましたが、では果たして私は社会人ドクターには英語が不要だと考えているかというと、そうではありません。
英語ができたほうがいいか/出来なくていいかと言われれば、もちろん出来たほうがいいです!
ただ、社会人ドクターで「博士の学位を取る」という目的に対して、優先度の低いものだと思います。
会社での仕事もある(年齢的に、家庭も持っている)社会人ドクターにとって、大学のための活動にかけられる時間というのはかなり限られています。
なので、英語が苦手な人にとって、社会人ドクターとしての負担が「英語のせいで」すごい大きなものになってしまうとかなりきついなと思います。
英語ができることが博士の本質ではないはずなので。「英語ができないから博士取れなかった」となってしまうのはなんだか違うかなと。
(英語ができることで世界の研究者とディスカッションができるというのは博士としての可能性を広げるものなので、「できたほうがいい」というのに異論はないですが。。)
英語だけで社会人ドクターを躊躇している人は、ぜひそこで尻込みせず、社会人ドクターの英語を乗り切る方法を駆使して挑んでほしいですし、ただ、博士を取った後でもいいので英語もできるようになってほしいなと思っています。
④まとめ
ここでは、
- 実際にどのような場面で英語が必要になる6つの具体的な場面
- 英語が苦手な人がどのような方法でできる限り楽に乗り切るか
について説明しました。
最後の私の感想にも書きましたが、社会人ドクターは「英語ができた方がいい」ということは正しいと思いますが、「英語に自信がない」というだけで社会人ドクターを躊躇する必要はないと思っています。
今回説明したことを見て、英語に自信のない方でもぜひ社会人ドクターに挑戦してみようと思っていただければ幸いです!